クラウドファンディング市場は今後どうなる?

2001年に初めてクラウドファンディングのサービスが提供された。日本では、法整備の進展もあり、購入型の他、投資型(金融商品型)クラウドファンディングも市場を形成することとなり、この20年での累計調達・支援額は1兆円を超えた――

不動産型クラウドファンディングでは、東証グロース市場に新規上場した企業も誕生し、ますます社会的存在意義も高まっているという。矢野経済研究所は、21年度の国内クラウドファンディング市場を調査し、市場規模(新規プロジェクト支援額)、新規支援プロジェクト件数、支援者・投資者数、6類型(寄付型・購入型・貸付型・株式型・事業投資型・不動産型)別や参入企業の動向、将来展望を明らかにした。

同年度の市場規模は、新規プロジェクト支援額ベースで1,642億2,100万円(前年度比11.1%減)と推計。市場を各類型ごとにみると、事業投資型、不動産型、株式型は堅調に増加した。事業投資型ではESG関連などのプロジェクトも起案され、注目度は高まっている。不動産型と株式型は法整備が後押しとなって参入企業が増加していて、市場拡大が期待される。

他方、寄付型、購入型、貸付型(ソーシャルレンディング)の3類型では減少した。寄付型および購入型は前年度において新型コロナウイルス関連プロジェクトの支援額が増加した反動で、減少に転じた。支援金額では主力となる貸付型は、'17年~18年頃に複数の貸付型のクラウドファンディング運営企業で行政処分が相次いだことで大幅に減少して以降、低迷が続いている。

各類型の課題や現状などに一層深くメスを入れつつ、2022年度のクラウドファンディング市場規模を前年度比16.3%増の1,909億8,200万円と見込む。将来性等の詳細は同社の『2022年版 国内クラウドファンディングの市場動向』で確認できる。そのショートレポートを同社は税込み1,100円で提供している。