入居世帯数及び予算の少ないマンションや、作業員の確保が難しいエリアのマンションにとって、大規模修繕は深刻な課題だという。大和ライフネクストは、セントラル警備保障、セーフィーとともに、同社管理受託マンションに対し、遠隔地でも工事品質を担保できる新たなサービス――ウエアラブルカメラを活用した大規模修繕工事の監理業務を実施した。
当該業務は、首都圏・関西圏を本拠とするマンション修繕の専門部署において、管理組合の立場から大規模修繕工事の品質・仕上がり・工程等をチェックするもので、専門技術を有する工事監理担当者が週に1回ほど現場を訪れ、施工会社と進捗確認や検査業務を実施(21年度129件受託、責任施工含む)。そこで同社は両社と、事務所から遠方のマンションを中心に、現場事前調査・工事の品質チェックの実証実験を積極的に進めてきた。
今回工事監理業務を請け負ったマンション(中部・東海エリア)は、ゴンドラを使う特別な工事で、施工会社と工事監理会社に高い技術力が求められた。そのうえ週1回の現地入りが高コストとなるところで、上記進捗確認・検査業務を2週ごととした。隔週で施工会社の現場代理人がウエアラブルカメラを装着し、工事監理担当者がリモート確認する仕様に変更することで、長距離移動相当の金額加算なしでの工事監理を提案できたという。
自社に多く在籍している経験豊富な技術者が遠隔で指示可能なしくみは、若手社員の教育にも活用できると考えている。同社は、管理員や清掃員による日常管理、清掃ロボット・警備ロボットへの応用、点検・メンテナンス会社との連携などへと、新サービスの幅を広げていく構えだ。