厳格な管理が求められるタクシー車両のタイヤ空気圧を遠隔監視する

CASE(コネクテッド、自動/自律、シェア、電気)が合言葉となっている。自動車業界では昨今、社会課題を解決するサービスとしての移動手段"MaaS"への対応も加速していて、それぞれIT(情報技術)を駆使した仕組みづくりが、互いを高め合いながら進行している。

今月20日、横浜ゴムヨコハマタイヤジャパンは、京都タクシー興進タクシーの協力を得て、タイヤソリューションサービスとして横浜ゴムが開発したタイヤ空気圧遠隔監視システム「TPRS」の実証実験を、京都府ないしその近郊で実施することを発表した。今回の実験は、「TPRS」および汎用性が高く後付けもできる"タイヤ内面貼り付け型空気圧センサー"の効果を検証するものだという。

同センサーが検知したタイヤの空気圧や温度、車両の位置情報を、車両管理者やタイヤサービススタッフがリモートで把握できる。TPRSは始業前点検の省力化、空気圧情報の記録化、空気圧が徐々に低下するスローパンクチャーの早期発見、タイヤメンテナンスの適切な実施、点検のバラツキ防止、リアルタイム異常検知による事故防止、適正空気圧維持による燃費向上などに寄与する。

検知データはクラウドに送られ、車両基地や各営業所にてタイヤ空気圧の見える化を実現する。燃費悪化の原因となる空気圧低下や、スローパンクチャーの恐れを、事務所内の警報装置にて管理者に通達する。「TPRS」の実証実験はこれまで社有車やカーシェアリング事業者向けに行ってきた。そしてこのたび、厳しいタイヤ管理を求められるタクシー業界において、安全性や経済性の向上に貢献するビジネスモデルの確立を目指すという。

「YX2023」のもと、SensorTire(IoTタイヤ)開発と機動的なサービス力の強化による新たなタイヤソリューションサービスの展開を掲げている。同社は、安心安全な運行を持続可能とする活動の一環として、異業種と協同している。