RAビジネスの実現に向けて、分散型エネルギー資源活用を実証

太陽光発電等の再生可能エネルギーは電力系統の安定に影響を及ぼす。近年顕在化しつつある、出力変動や余剰電力の発生など、系統運用上の課題に対応すること、つまり電力系統の安定化においては、発電所等による調整が求められるが、発電設備を保有・維持するにはコストがかかる。

そのような中、継続的な再エネ導入と電力系統安定化を低コストで両立するため、分散型エネルギーリソースを積極的に活用した新たな仕組みが必要とされているという。東京電力HDGoal connectエナ・ストーンサニックス東電PG東光高岳日本気象協会HONDAOKIクロステック京セラ東電EPNECを含む17社はコンソーシアムを形成し――

経産省がSIIを通じて公募した「令和4年度 分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業」参考PDF資料)に申請を行っていた。そして5月27日にSIIから採択結果(B事業)が公表されたことを受け、今月15日、リソースアグリゲーション事業の実現を目的とした分散型エネルギーリソース活用実証を開始した。

今年度は、従来の実証成果等を踏まえ、分散型エネルギーリソースの利用促進に向け、ACシステム(成果報告書)の更なる高度化や制御精度の一層の向上、リソースアグリゲーター(RA)事業者が市場参入しやすくなる機能の充実、市場制度の課題やビジネスモデルの検討などを'23年2月中旬まで実施する。

アグリゲーションビジネスにおける全てのステークホルダーが参加する、今回の実証事業では、世界的なエネルギー・環境問題を解決するための革新的なエネルギーマネジメントシステムとリソースアグリゲーション事業の確立を目指していく。将来的には、分散型エネルギーリソースの活用・拡大と再エネ有効活用の環境を整備することで、21年度からの需給調整市場、24年度開設予定の容量市場等への参入を図っていくという。