液浸冷却システムでICT機器を稼働、データセンタ消費電力を大幅減

2050年までのそれよりも早い。2030年カーボンニュートラルを経営目標にしている企業がある。世界では、デジタル化の進展とともに情報量が爆発的に増加し、いまや社会インフラとなったデータセンタ(DC)の電力消費量も増え続けている。

電力消費量を削減することがDCの1つの課題になっているという。NTTデータは、脱炭素社会の実現をめざし、サーバ等のIT機器を特殊な液体の中で直接冷却する、エネルギー効率の高い次世代方式を採用したDC冷却システム(液浸冷却システム)を構築。3月~4月に協力企業9社と、三鷹データセンターEASTにて実機検証を行った。

三菱重工HPCシステムズLiquidStack日比谷総合設備デルシスコエヌビディアインテル3Mとともに、①模擬負荷を用いた二相式液浸冷却装置(6kVA×2台)・システムのエネルギー性能試験、②IT機器を用いた性能試験、③設計・運用における課題の抽出を実施。推定PUE(電力使用効率:DC全体の消費電力/IT機器の消費電力)1.07とした。

①では冷却エネルギーの97%削減(PUE=1.7施設比較)を具現化する運転条件を明らかにした。②では実用時のタンク間冗長性を考慮した機器構成で、冷媒液温度別の機器性能、異常発生時の同システム及び機器の挙動、安全かつ効率的なシステム運用の実効性を確認。③ではITソフト&ハードのカスタマイズ条件/要仕様変更等、日常運用でのメンテナンス性能などを明白にして、一貫したITシステムサービスが実現できることを確認した。

NTTデータは、自社DC内に液浸専用マシン室を構築し、23年度中に社内システムへ上記新方式を導入するつもりだという。ICT機器調達方針の整理や運用・保守体制の構築を行い、より環境負荷の小さい(GWP<1)冷媒液の採用を図ることで、省エネかつ地球にやさしいシステムサービスの実現・提供をめざす。