一方、チェックイン時には、通常の会員情報や予約情報の確認もあるため、複数の確認事項やプロセスが発生し、ホスピタリティの観点で手間や対応時間の増加が課題になっているという。日立は、ホテルや会員制施設のDX推進に向け、デジタルアイデンティティ(電子化された証明書などその人固有の確認情報)と生体認証を活用した実証実験を、2月14日~28日都内ホテルにて同社及び同社グループの従業員と実施した。
実証への協力に同意した延べ50名を対象に、チェックイン時に、陰性証明やワクチン接種証明、会員証、予約情報など複数の提示・確認プロセスを生体認証(「日立指静脈認証装置 C-1」)でまとめて行うことによる効果を検証した。結果、一人当たりのチェックイン時間を40秒以上短縮。手ぶらで各種証明書の提出を可能にするUX(ユーザーエクスペリエンス)向上と、業務効率化の両立性が確認できたという。
同社は今後、デジタルアイデンティティと生体認証を組み合わせた新たなサービスの事業化に向けて検討を進めるとともに、ホテルや会員制施設をはじめとする幅広い業種との実証を重ねながら、顧客体験価値の向上をめざす、さまざまな業界のDXを加速する。協力企業を幅広く募り、レストラン、スパ、フィットネス、プール、宴会場などでの活用を進めながら、デジタルアイデンティティプラットフォームのサービス化をめざす。
証明書や会員証だけでなく、アレルギー食材や苦手な食材の表示、ポイントカードや決済との連携なども推し進め、飲食、小売、アミューズメント、交通など多彩な業種において、デジタルアイデンティティと生体認証を活用したDXを推進するという。