死亡事故ゼロに向け先進運転支援システムを共に、一層拡大していく

『官民ITS構想・ロードマップ』の2019年版が公開されている。日本におけるその取り組みは「世界一安全で円滑な道路交通社会」を築くためのもので、自動運転車両にも欠かせない先進運転支援システム(ADAS)のさらなる高度化と実装が肝となる。

官邸Webに上記資料(PDF)がある。今月3日、ルネサスは、ADAS分野におけるHondaとの協業拡大を発表した。同社の車載用SoCすなわちシステムオンチップ「R-Car」と、車載用マイコン「RH850」は、「Honda SENSING Elite」に採用――21年3月発売のLEGENDに搭載されている。Honda SENSING Eliteは、自動運転レベル3(条件付自動運転車)に適合する先進技術だ。

その研究開発で培われた知見やノウハウを生かして開発される「Honda SENSING 360」にも、ルネサスの両製品は採用される。22年に中国で発売される四輪車を第一弾として、幅広い車種へ展開される。次世代ADASの中核となるECU(電子制御ユニット)のメインSoCにR-Car S4が採用されたという。この取り組みを通じ、両社は安全技術の向上を目標にADAS分野で協業を拡大していく。

R-Carは、先進技術のフラッグシップHonda SENSING Eliteにおいて、カメラやミリ波レーダ、レーザーレーダーのセンシング情報ならびに3D高精度地図や全球測位衛星システム(GNSS)の情報を合わせて処理――自車位置や道路状況を把握し、自動運転のための走路計画をリアルタイムに演算する。SoCからの信号を受け取るRH850は、アクセル、ブレーキ、ステアリングを高度に制御し、運転操作や衝突回避アシストを可能にしている。

グローバルに適用の拡大が期待されるHonda SENSING 360にて、R-Carは全方位安全運転支援システムの実現に貢献していくという。