ローカル5G×AGV、高効率自動制御システムを未来の生産現場へ

人とロボットが協働する。生産現場では、人がより安全に作業できる環境づくりが急がれている。ユーザーニーズの多様化を受けてマスカスタマイゼーションが進み、環境面から「必要な物を、必要な分だけ、必要な場所で生産する」考え方も広まり、多拠点、多品種、小ロットの生産が求められているという。

コニカミノルタNECは、ローカル5Gを用いた「未来ファクトリー」構想を具現化する、「人と機械が共存する安全・安心ファクトリー」と「多品種・小ロット生産を実現する自律型デジタルジョブショップ」の共創の取り組みとして、AGV(無軌道型無人搬送車)の高効率自動制御システムを共同開発した。同システムは今月17日より、コニカミノルタの研究開発拠点「Innovation Garden OSAKA Center」にて展示公開される。

両社は、大容量・低遅延通信が可能なローカル5G環境を整えた「IGOC」において、20年11月よりDX推進に向けた協働を進めている。そして今回、FORXAI Imaging AINECマルチロボットコントローラ(MRC)を用いて、離れた場所から障害物を検知して迂回距離を短縮できる自動制御システムを創出した。同システムは前記AIの物体検出アルゴリズムを利用し、AGV搭載カメラの画像から、数メートル離れた場所にある障害物を検知する。

レーザーレーダーを用いた一般的な制御システムよりも効率的なAGV迂回制御が可能になる。AGV搭載カメラで進行方向の視野を確保するため、固定カメラで課題となる死角を無くし、より安全な走行を実現するという。取り組みが今月20日、NECのウェビナーで紹介される。

今後、両社は、ローカル5G環境下で多数のAGVをMRCで集中制御する――、「未来ファクトリー」で想定される数百台のAGVが同時稼働する状況においても、大容量・低遅延通信による安全な自動運行制御を目指すという。