ストア運営DX、AIと匿名化データでコンビニ店舗の売場を改善する

いわゆるデジタル化によって、人々の暮らしや社会を地球環境に配慮しながら近未来的かつ豊かにしていく。先進的なIT(情報技術)を駆使して、まちや産業分野の様々なしくみをより良くしていくデジタルトランスフォーメーション(DX)が各地・各業界で盛んになりつつある。

今月2日、日本マイクロソフトローソンは、個店の状況に合わせた売場を実現するため、店舗のDXの取り組みにおいて協業することで合意――来年3月まで神奈川県内の4店舗にて、カメラや音声データと店舗運営支援を図るAIを活用した実験を行っていることを発表した。

ローソンでは、これまで主にPOSの売上データや会員カードデータのほか、来店客の声を参考に店舗施策を検討・実施してきた。そして今回、新たに設置したカメラやマイクで取得したデータ(売場の通過人数や顧客滞留時間、棚の接触時間、商品の購入率等)を個人が特定されない形で可視化し、POSの売上データ等と合わせて、Microsoft Azure上に構築した「店舗運営支援AI」で分析する。

分析したデータを参考に棚割や販促物掲出など各店舗の状況にあわせた売場に改善し、顧客にとって買いやすい売場の実現と店舗の利益向上を図っていく。ローソンは上記AIを用いて、行動分析・仮説立案・店舗施策の変更のサイクルを実行し、その結果から売上・利益向上などの指標を顕在化するプロセスを構築。各施策の変更による結果を分析し、各店舗に適した施策の優先度を見える化する。

これにより、従来の様々な店舗施策の有効性を確認できる。SV(スーパーバイザー)による店舗経営指導にも活用できる「店舗運営支援AI」を活用したデータに基づいた検証を各店舗にて行うことで、よりスピーディーに自律的な店舗運営に取り組めるようになるという。両社はその効果を検証したのち、「店舗運営支援AI」を全国のローソン店舗へ拡大していく構えだ。