医療DX、エッジコンピューティング技術とAIを遠隔医療に生かす

医療分野においてICT(情報通信技術)の活用が進み始めている。昨今、様々な現場でデジタルトランスフォーメーション(DX)が言われていて、医療施設・人材の不足に直面していたり、専門医がいなかったりする地域では、リモート診療等の実現が期待されている。

2016年の創業以来「Anywhere, we care. すべての病院に集中治療医を」をミッションに、遠隔ICU(日本集中治療医学会PDF)におけるサポートサービスを手がけてきた。集中治療医・集中ケア認定看護師のチームを擁し、専門性の高いサポートを提供している。遠隔相談システム「リリーヴ」契約病院からの相談に対応する一方で、遠隔モニタリング支援システム「クロスバイ」にて、導入病院内での効率的な医療提供に貢献してきた。

重症患者への看護人員が不足するなか、医療従事者による常時モニタリングが行われている現場の負担は大きい。重症患者管理を専門とする集中治療医が不在となる夜間等の時間帯に、遠隔観察のうえ重症度に応じたアドバイスをしてほしいといった要望をもらっている。そのためには、モニタリングの際に発生するデータを低遅延かつセキュアに処理することが必要不可欠だという。

T-ICUと、「ソーシャルICTパイオニア」をめざすNTT西日本は今月18日、「遠隔医療におけるエッジコンピューティング技術を活用した情報処理の実現方式」に関して共同実験を開始した。来年2月までの予定で基本的な動作および要件の確認を行う。今回の実験の成果を生かし、withコロナ/afterコロナ時代を見据えたリモートワールド(分散型社会)を実現し、地域医療の人材不足など社会課題を解決していくという。

T-ICUは遠隔ICU技術の提供と、遠隔モニタリングに必要な情報処理技術の検討をする。そしてNTT西日本は、エッジコンピューティング技術の提供と、クラウド化に係る要件の検討を担当する。