つながるクルマを一層安全にする、しくみを共同開発する

外部ネットワークとつながるクルマ(コネクテッドカー)は、車両周囲の道路状況などの各種データを集積・分析することで、安全性や利便性向上を実現しているが、各種ITシステムやモバイル機器と同様、常にサイバー攻撃の脅威にさらされている。

それゆえ車両内部やその接続プラットフォームのセキュリティ対策、それらを継続的に監視する対応が必要となる。公道を走る各種車両のメーカーは、各地で安全性確保に関する法規を遵守――国連WP.29(概要:経産省PDF)で成立したサイバーセキュリティに関する国際基準に従い、日・欧などで22年7月以降に販売する車における対応――が求められている。

コネクテッドカーでは、送信データが保存されるクラウドへの攻撃を防ぎ、車両とクラウドのデータを相関的に分析し、サイバー攻撃の兆候を把握し対処しなければならない。日々進化する攻撃手口を踏まえて、グローバルで膨大な数の自動車を監視し安全性を確保するには、セキュリティ、クラウド、ITシステム、自動車システムに対する深い知見、幅広いノウハウ、高い技術が必要だという。

日立トレンドマイクロ日本マイクロソフトは、コネクテッドカー向けセキュリティソリューションを共同開発する。各社の強みや知見、テクノロジ等を組み合わせ、コネクテッドカー内部のセキュリティソリューションや車両及びその周辺システムへのサイバー攻撃を検知・分析・管理するシステムなどを開発し、22年中に日本での提供を開始し、グローバルでの提供も検討していくという。

現在それぞれVSOC、コネクテッドカーセキュリティスマートモビリティを提案している3社は、今回の協業により、「車両に対するサイバー攻撃やリスクを検知・防止」「高機能で安全性の高いクラウドプラットフォームを提供」「車両データと連携し、サイバー攻撃の全体像を可視化」といった特徴を備えたソリューションを提供していく構えだ。