東名高速でAIによる渋滞予測、実証実験はじまる

昨今、様々な物事のデジタル化が進展している。情報通信技術の浸透による暮らしや各種産業のより良い方向への転換が加速しつつある。

今月15日、NEXCO中日本東京支社とNTTドコモは、E1東名高速道路(東名)上り線の御殿場ジャンクション(JCT)~東京インターチェンジ(IC)において、人工知能(AI)により交通渋滞予測をする実証実験を開始する。予測した結果は、同日からNEXCO中日本の特設WEBサイト「東名の渋滞予測 TODAY」で提供する。

同サイトは、ドコモが開発した「AI渋滞予知」(NTTグループのAI「corevo®」構成技術)を用いて、当日の午前中の神奈川県、静岡県、山梨県周辺の人出に基づき、東名の御殿場JCT~東京ICの上り線の各区間――御殿場JCT、大井松田IC、伊勢原JCT、海老名JCT、横浜町田IC、横浜青葉IC、東京ICより利用者が選択した起点・終点――における当日14時~24時の所要時間を予測した結果を提供する。

「AI渋滞予知」は携帯電話ネットワークを利用して作成される「モバイル空間統計®」のリアルタイム版(人口統計)と、NEXCO中日本が保有する過去の渋滞実績と規制情報をもとに予測モデルを構築。実地の人出をもとに渋滞を予測しているため、新型コロナウイルス禍に伴う外出自粛による人出の変化や天候等による影響を考慮した予測ができる。NEXCO中日本管内でこの仕組みを活用した渋滞予測をおこなうのは初だという。

今回の実証実験は、NEXCO中日本が推進する「i-MOVEMENT」の一環で、その戦術の1つである「渋滞予測の高度化」につながる技術であり、高速道路を利用する顧客に一層正確な渋滞予測情報を提供することが期待できるという。この度の取り組みでは、「東名の渋滞予測 TODAY」を利用した人にアンケートするなどして、行動の変化や渋滞緩和効果等を検証していく考えだ。