高等教育の課題解決および出版・書店業務のDXに向けて

グローバル化の進展や技術の進歩によって社会全体が前例のない変化に直面している。その中で、予測困難な時代の到来を見据え、時代の変化に合わせて積極的に社会を支えながら改善していける人材や「生き延びる力」の育成の重要性が高まっている。

「OECD Education 2030プロジェクトについて」(同機構PDF)でそのような実状が指摘されていて、文科省「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」にあるように、高等教育機関では、学修者本位の教育への転換や、個々人に最適化された学修指導などの実現が求められている。ワクチン普及による新型コロナウイルス禍の収束が垣間見える中、After/Withコロナ時代における新しい教育の実現が急務になっているという。

NTT西日本DNPNTT東日本は、共同出資を行い、高等教育の高度化に取り組む「株式会社NTT EDX」を今月8日に設立する。3社はこれまで、上述のような社会的要請のもと協業を進め、ICTを活用した教育のデジタル化におけるノウハウを蓄積するとともに、教科書・教材を提供する出版社との連携強化や、協業の効果拡大に取り組んできた(21年5月ニュースリリース)。

そして、高等教育機関毎の個別のソリューションを提供してきたが、より高機能で、リーズナブルに、また早期に全国の高等教育機関へ広げていくためには、プラットフォームサービスの提供が必要と判断した。多くの高等教育機関や、教科書・教材を提供する多数の出版社、長年教科書販売を手がけてきた書店から学生の学修利便性への期待、教科書や教材関連の課題解決への期待から、事業化の要望も受けていたという。

今回3社が共同設立する。NTT EDXは、電子教科書・教材事業を軸に、高等教育の課題解決に向けた各種サービスを提供するとともに、出版社・書店の業務の電子化・効率化を支援する取り組みを行っていくという。