労働安全衛生DX、IoTで作業員のセーフティー活動を支援する

労働人口の減少や作業者の高齢化が進んでいる。日本の建設業や製造業では、作業現場において労働災害を防止し、労働者の安全と健康を確保することはこれまで以上に難題、かつ重要な課題となっている。特に近年、厳しい夏の暑さにより、作業員が体調不良となる危険性が増していて――

安全衛生管理部門や現場の管理者には、作業員の状況をタイムリーに把握し、適切な安全対策を行うことが求められているという。日立ソリューションズは今月10日、IoT機器を活用し、作業員の生体情報や位置情報、気象情報を取得・分析し、安全管理を支援する「労働安全衛生 作業員活動支援サービス」を発売する。同月17日、総務・安全衛生管理・情報システム部門向けに開催するウェビナーにてこれを紹介する。

同サービスでは、IoT機器のセンサーから作業員の脈拍や活動量などの生体情報、気温・湿度・気圧等の気象情報、位置情報について、それらを適時取得し、クラウド上で統合管理することで、現場や職種など、さまざまな属性ごとにグラフや地図を用いてダッシュボード上に多面的に見える化できる。

これにより、安全衛生管理部門と現場管理者は、作業員の健康状態を遠隔地から継続的にモニタリングできるようになり、酷暑下の熱ストレスなど、健康リスクを適切に把握し、労働災害の未然防止に対応できるようになる。同サービスでは作業員の位置情報から行動履歴を把握できるため、作業効率向上につなげることも可能だという。

対応するIoT機器の第一弾として、村田製作所と協創した「作業者安全モニタリングシステム」のヘルメット型センサーデバイスと連携。スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスとの連動も計画している。日立ソリューションズは、上記新サービスを「労働安全衛生トータルソリューション」のラインアップの一つとして提供し、製造業や建設業のデジタルトランスフォーメーションを支援していく考えだ。