クレカの不正利用を抑止する、取り組みを業界で加速

将来的に世界最高水準の比率80%を目指す「キャッシュレス・ビジョン」が掲げられている。日本にある各種決済手法のなかでも与信審査および不正検知の仕組みがしっかりあるクレジットカードは、店舗・利用者双方からの信頼が厚い。昨今、コロナ禍で新しい生活様式が定着しはじめていて――

オンラインショッピングによるクレカ取引が増加傾向にある一方、ECサイトを利用したクレジットカードの大量不正アタックが発生している。不正アタックはクレジットカード会社のシステムに多大な負荷がかかるとともに正常な取引を阻害するなど、クレジットカード業界の課題となっている。安心・安全なキャッシュレス社会を実現するためには、これら不正利用に対してクレジットカード業界が一丸となって対策を図ることが期待されているという。

NTTデータCARDNETは今年5月31日、クレジットカードの不正利用抑止のために協力することで合意。前者が決済総合プラットフォーム「CAFIS®」にて提供しているカード会社向け不正対策サービス「CAFIS Transaction Manager®」について、これに賛同した後者が同サービスと同等の機能を「CARDNET Transaction Manager」として来年3月(予定)からクレジットカード会社向けに提供する。

カード会社のシステムで行うクレカ取引の不正判定の一部を、当該システムに取引情報が届く前に実行(カード会社設定条件に該当する取引を拒否応答)する同サービスは、システムへの追加投資なしに大量不正アタックへの対処を可能とする。今回の合意により、「CAFIS」「CARDNET」で条件登録・取引照会の共通インターフェースが実現されるほか、不正ルールの高度化や不正取引監視・抑止機能の拡張を図ることができるという。

両社は相互連携しながら、業界全体の不正利用抑止に向けた取り組みを継続していく構えだ。