耳をもったクルマが視野外の他車を検知、最高の自動車安全水準へ

交通事故のない世界の実現に向けて、先進運転支援システム(ADAS)が一層進化し、つながるクルマや自動運転技術の研究開発も盛んになっている。

今年3月、米国Reality AI社は、世界のパートナー企業とともに、 "Automotive SWS"の有用性を高める新たなシステム――機械学習ベースのアルゴリズムとマイクロフォンアレイを用いた仕組みで、"音で見る"クルマの実現を支援するとした。今回、ADASなどの半導体ソリューションをグローバル展開するインフィニオン社と協業し、 自動車業界のティア1およびティア2サプライヤーに向けて、それぞれ固有バージョンの上記システムを生みだした。

Automotive SWSは、道路上を走るもので直接見ることができない物体の検知で特に役立つ。ドライバーと同乗者の安全にフォーカスしたシステムであり、緊急車両やその他の車両、自転車などが立てる音をベースにそれらを発見する。対象物の進路と距離――それが接近しつつあるのか離れて行きつつあるのかを計算し、対象物がやってくる際にはその方角を見て認識するよう、ドライバーに警告を発する。

この度のシステムは、インフィニオンの新製品IM67D130A――優れた信号対ノイズ比性能を有するXENSIV™ MEMS マイクの車載規格AEC-Q103準拠製品と、自動車の機能安全規格の最高水準ASIL D(ISO 26262シリーズ中最高位)を達成するAURIX™ マイクロコントローラ (MCU)とをつなげたものだという。Reality AIは、これとは別に、萩原電気およびデンソーとも自動車業界向けの特定機能を開発している。

上記システムの初期版は昨年、VeoneerVolvoZenseactMathworksらがスポンサーのFuture Mobility Awards"AI for Safety"賞を獲得している。