画像診断支援AIアプリ、2機能を医療向けクラウドサービスにて展開

人工知能(AI)の活用が医療分野にも広がりつつある。昨今、AI技術を用いたシステムやソフトウェアは、国内外の多くの医療機関に導入されていて、臨床現場を支援している。その中で、予算や利用環境に応じた仕組みの提供、および新機能を簡単に利用できる環境を求める声が高まっている。

そこで医療画像診断支援、医療現場のワークフロー支援、そして医療機器の保守サービスに活かせるAI技術の開発を進め、それらの領域で活用できるAI技術を"REiLI"というブランドで展開している。富士フイルムは、医師の画像診断ワークフローを支援する同社のAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」のアプリケーションをクラウドで提供する「医療クラウドサービス」を、富士フイルムメディカルを通じて今月12日に開始する。

同サービスの第一弾として、昨年6月に発売した「肺結節検出機能」と「肺結節性状分析機能」を提供――胸部CT画像から肺結節の候補を自動検出する機能と、医師が確定した肺結節について医師の所見文作成を支援する機能を、新たにクラウドでも提供開始する。これら2種の機能は、同社のPACS(医用画像情報システム)「SYNAPSE」およびAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」を導入している施設にて利用してもらえる。

「医療クラウドサービス」は、ユーザー登録後に専用ポータルサイトで利用したい機能やソフトウェアを選択するだけでそれらを使える。「SYNAPSE」からクラウドにアップロードされた画像はAI解析され、その結果が上記viewerで参照可能となる。クラウドサービスとしての画像診断支援機能は、利用回数に応じて料金を支払う仕組みのため、ユーザーは導入コストを抑えられるという。

富士フイルムは同日~6月3日に開催される国際医用画像総合展(ITEM2021-WEB)に上記サービスを出展する。