100フェムト秒以下のジッタ性能をITインフラ市場向けに

データセンタ/IT(情報技術)システム間の高速相互接続を実現する。PAM4(4値パルス振幅変調)テクノロジにより、通信とデータセンタの両分野でデータ転送レートが大きく向上した昨今、各装置・機器に用いられるクロックにおいては、より厳しい要件が課されるようになったという。

ルネサスは4月26日、タイミング製品ポートフォリオを拡充――データセンタ、サーバ、ネットワークインフラ市場向けにジッタ性能が100fs(フェムト秒:1,000兆分の1秒)を下回るポイントオブユース(POU)クロックソリューション「FemtoClock2」ファミリを新たにリリースし、ジッタ減衰/クロックジェネレータ「RC32504A」とクロックジェネレータ「RC22504A」を発売し、これらの量産を開始した。

新製品はクラス最高水準75fs級のRMS低位相ジッタを実現。次世代スイッチやルータなどの高速インターコネクト設計において、PAM4インタフェースのタイミング要件を容易に満たせ、コスト効率が高くシンプルなクロックツリーの実装を具現化する。同クラス製品の約1/3:4x4 mmの小型パッケージに集積されてあるので、クロックソースのPOUすなわち極近傍配置と、基板レイアウト設計の効率化やクロストーク抑制が可能となる。

DCO(デジタル制御オシレータ)や電子発振器、ジッタ減衰器として利用でき、柔軟で高性能なタイミング設計を実現する。FemtoClock2は、IEEE1588対応ソフトPTPクロックマネージャを使用したシステムと一体的に動作し、同ソフトウェアによる同期を妨げることなく、100fsのジッタ性能を実現可能なダウンストリームクロックとしても機能するという。

同社はこれからも、多彩な機能を備えたシステムソリューションからシンプルなビルディングブロック型クロックデバイスまで、幅広い製品を提供していく考えだ。