スマートアグリ/6次産業化に向けて、加工用トマト栽培を官民で実証

1次産業としての農林漁業と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図る。それは農山漁村の豊かな地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取り組みであり、農山漁村の所得の向上や雇用の確保を目指しているという。

農林漁業の6次産業化が農水省に紹介されている――。6次産業の6は、1次産業×2次産業×3次産業の6であり、農業者が農産物の生産だけでなく、加工や流通・販売にも挑戦し、農産物の付加価値を生みだして収入を増やしていく考え方、これにオール長浜で臨むため、滋賀県長浜市北陸自動車道小谷城スマートインターチェンジ周辺地域を、新しいアグリビジネスを牽引する6次産業拠点として整備している。

今月20日、ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーマルシェは、長浜市およびカゴメと連携し、同市にある「小谷城スマートIC栽培実験農場」において、加工用トマトの産地化に向けた官民連携による実証栽培を始めた。3者は、同農場への植え付けをおこない、今年夏頃の収穫を計画している。

30aの圃場(露地)にトマト苗約5,000本を定植。栽培の機械化、遠隔管理などにより効率的な栽培方法を確立し、産地化を目指す。7月30日まで実施する今回の実証は、健康ブームによって需要が高まっている国産加工用トマトの効率的栽培手段をしっかり築くことで、同市の農業者の経営を安定化し、地域農業の持続的発展に資するものだという。

高齢化や担い手不足に対応する「機械化一貫体系の構築(省力化)」や、コロナ禍において、遠隔地からでも栽培方法や肥培管理等の生産指導ができるスマート農業を実証する。そこで植え付けなどに使用する農業機械の提供、栽培サポートを行う、食事業の推進を目的に設立されたヤンマーマルシェは、収穫後に買い取った農産物を、カゴメとの売買契約に基づき6次産業化に活用する予定だ。