モビリティ分野でデジタルツイン、ビッグデータ活用を支援

ITの活用およびデータ駆動型の仕組みづくりが進む。昨今、陸上ではコネクテッドカー(つながる車)が増加していて、車両から集まったCAN(コントローラ・エリア・ネットワーク)データ、ドライブレコーダー映像などのデータを次世代の安全・安心等に生かす取り組みが始まっている。

自動車の開発だけでなく、交通監視、地図作成、自動車保険査定など、様々な関連サービスへの展開・活用が期待されている。車両およびモビリティデバイスが生成するデータは、膨大で、収集や蓄積に伴うコストが、データを活用する自動車メーカーや損害保険会社などにとって大きな負担となっている。そのため、価値あるデータを十分に利活用できず、限定的な活用に留まっているのが現状だという。

富士通は、様々なモビリティデバイス上の情報を仮想的に統合し管理する基盤「Digital Twin Collector」を開発した。これを今月22日、自動車メーカーや損害保険会社などに向けて発売し、6月には北米・欧州地域での提供も開始。グローバルに、新たなモビリティサービス実現に向けて貢献していくという。

「モビリティデバイスが保持するデータを分散管理することで、データ収集や蓄積コストを削減」、「トラフィックスケジューラ機能により、大容量データ通信の輻輳を抑制して安定したデータアクセスを実現」、「データカバレッジ制御機能により、類似データの複製抑止と網羅的複製を両立し、サービス品質を均質化」といった特長を備えた。同基盤では、モビリティビッグデータを必要な時に必要な分だけ複製し、分析や処理ができる。

データの管理・通信コストを大幅に抑えて、損害保険業務の効率化・高度化、道路管理業務の高度化、車両故障分析などが可能となる。デジタルツインコネクターにより、自動運転システム向けの高精度な地図作成、渋滞や障害物や天候等道路環境の情報提供などを強力に支援していく構えだ。