人のデジタル・ツインで社会的課題等の解決へ

新型コロナウイルスの蔓延に対抗するため、非接触・非対面を軸に、世界中で様々な物事の新常態が生みだされつつある。テレワークが普及し、Web会議やオンラインイベントの需要が高まっている。日本では、以前から課題となっている技能伝承等で、デジタル技術を駆使する動きも加速している。

現実世界のモノをデジタル空間に忠実に再現する「デジタル・ツイン」の活用が産業界で注目されている。いま、海外ではそれをヒトに適用した新興技術"Digital Clone"が話題になっていて、ガートナーが「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」にて5つの先進テクノロジ・トレンドのひとつにデジタル・ツインの個人モデル、「デジタル・ミー」を挙げている――。日本では、デジタルクローン技術によるパーソナルAIの研究開発が進められている。

今月17日、デジタルクローン、P.A.I.(パーソナル人工知能) ベンダーであるオルツは、凸版印刷と資本業務提携を締結したと発表。凸版印刷はこれまで、AIチャットボットやバーチャルアバター、AIカメラを活用した広告配信サービスなど、コミュニケーションを支援するさまざまなAIソリューションを提供してきており、これからも社会のニーズ・課題に合わせたソリューションを提供していくという。

一方オルツは、現在有料アカウント10,000超を数える議事録の新しいカタチ「AI GIJIROKU」のほか、同社のAIクローニング技術を用いた思考モデル「Nulltitude」、グローバルなオンライン会議の活性化に役立つ「AI通訳」といった製品をすでに開発・発表していて、世界初のデジタルクローン企業として、今後も複数の製品をリリースしていくという。

両社は、それぞれの知見・ノウハウを融合させ、デジタルクローン技術を活用した新サービスの創出や多彩なAIソリューションの開発・提供を共同推進していく考えだ。