データ提供者と利用者、双方が安心できるデータ取引サービスはじまる

産官学あげてデータ駆動型社会の実現を目指している。日本では従来、データの活用はマーケット分析などの消費型(一度の利用で完結)であり、製品やサービスに組み込まれてデータが流通することはなかった――けれども、実用的なAIの登場でその状況が変わりつつある。

AI (ディープラーニング・機械学習・統計的学習・統計解析など)が一般的に活用されるに従い、データが学習済みモデルなどに形を変え、製品やインターネットサービスに組み込まれ利用される事が増えてきている。一方で、データの所有者とそれを活用して研究を行ったり、製品・サービスを提供する利用者は、必ずしも同一でなく、両者間での円滑なデータの流通体制が望まれている。

さらに、AIの学習用データとしての流通は、倫理、知的財産、製造物責任、商流に基づく利益配分など、様々に考慮すべき、複雑な多くの課題があることも明らかになりつつあるという。AIデータ活用コンソーシアム(AIDC)は、AIに対応したデータ取引サービス「AIDC Data Cloud」を構築した。今月10日にそのプレビュー版の提供を始め、3月1日より実際にサービス提供する。

「AIDC Data Cloud」は円滑なデータ流通を実現するための契約モデルに基づく、多様なデータ流通を可能とするクラウド基盤だという。AIDCでは、コンソーシアムの活動を通してデータ取引サービス基盤を開発・提供すると同時に、データ取引に欠かせない様々な課題及び商流に対応した契約モデルの開発を法律の専門家、有識者とともに進めてきた。その検討結果に基づき今回、種々のデータ提供および利用条件に対応したしくみを実現した。

データ提供者及び利用者が安心して利用できる。「AIDC Data Cloud」では、データ提供者が望む条件でデータを登録、カタログとして一覧化されたデータを、利用者が選択し、利用契約の締結が可能だという。