情報通信
沖をゆく船上でスマホ10台に、ライブ動画を同時配信できた!
自動運転車やロボットの遠隔操作、膨大な数の端末が稼働するスマート工場やインフラ設備の制御など、高度な通信要件が求められるサービスやソリューションの実現が期待されている。一方で、現行の4G通信サービスが十分に行き届かないエリアが存在する。生活圏ではない山奥や遠洋などでは衛星通信が利用されていて、宇宙の通信基地局は地上のそれに比べてネットワーク帯域が貴重――であるため、データ通信が制限されているという。
F5とソフトバンクは今月19日、ネットワーク帯域に制限がある船上の衛星通信環境下で、テレビ&ビデオエンターテインメント「ABEMA」の番組映像を、F5のキャッシュ機能を実装したMEC(多重アクセスエッジコンピューティング)を活用し、複数の端末に同時配信する実証実験に成功したことを発表。通信帯域が制限された環境下でのMECの有効性を証明したことで、衛星通信の課題に対するソリューション開発が可能になるだろうという。
実証実験では、通常ならスマホ1、2台でしか映像を視聴できない沖をゆく船上で、スマートフォン10台で同時に「ABEMA」の番組映像を、安定的に視聴できることを確認した。MECでキャッシュを行わない場合、複数台のスマートフォンで映像が停止したが、MECでキャッシュしたところ10台以上にした場合でもネットワークの負荷はほとんど変わらず、同時接続する端末数の増加に伴うトラフィックの増加を最小限に抑えられることも確認できたという。
両社は今後も協同し、さまざまな企業と連携して、MECを活用したソリューションを開発・提供していく構えだ。