3Dセンサひとつで、貨物コンテナ内の積載容積率を見える化する

2010年、全人口のうち65歳以上の人口が21%を占める「超高齢社会」に突入した。この国ではその後も高齢化と少子化が続いていて、さまざまな産業分野で労働力不足が言われるようになった。一方で、ネットショッピングおよび電子商取引(EC)が活況を呈している。

産業・社会基盤である物流を支える現場では、人手不足が特に深刻化している。スマートフォンの普及、デジタル化の加速によりEC市場はさらに拡大――宅配便を中心に輸送量が急増している。物流業界ではICT(情報通信技術)を活用した業務の効率化が喫緊の課題になっているという。NEC通信システムは、1個の3Dセンサで効率的にコンテナ内の積載容積率を可視化する技術を開発した。2021年度中の製品化を目指す。

トラック等のコンテナ内の積載容積率を可視化することで、各コンテナの積載率を高められるという。同社は輸送効率の改善に貢献する。このたびの新技術は、「1個の3Dセンサによる低コストでの可視化」および「明るさに左右されない高精度な可視化」を特長としている。センサひとつで対象物の3D深度(距離)情報を取得することができ、低コストで積載容積率を見える化する。

センサ位置についてもバース等に固定して設置するほか、倉庫内やトラック、航空機、船舶等のコンテナ内部に設置することができる。バース等に設置した3Dセンサによりトラックコンテナ内の積載量を容積率として見える化する。3Dセンサを活用するため、トラックコンテナ内に十分な明るさがない場合、すなわち暗部でも高い精度で可視化するという。

上記技術を「第5回スマート工場EXPO -IoT/AI/FAによる製造革新展-」ならびに「第13回オートモーティブワールド」に出展する。同社は今後も、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や空間認識技術の提供を通じて、安全で効率的な社会インフラの構築に貢献していく構えだ。