世界初!5GとC-V2Xで自動運転車両の合流支援に成功

超高速・大容量、低遅延、多数同時接続が特長の「5G」は、あらゆるモノがネットにつながる時代を牽引する。一方、自動運転社会においては、車両同士や車両とITS等の仕組みとの通信が遅滞なく、同時並行的に行われることを要する。

「官民ITS構想・ロードマップ2020」(官邸PDF)によると、来年から、高度な自動運転の市場化が始まり、限定地域での無人自動運転移動サービスの実現に向けた取り組みも行われることがわかる。今月24日、ソフトバンクSUBARUは、自動運転社会の実現に向けて、5GおよびセルラーV2X(3GPP等による標準)を活用した合流時車両支援の実証に、今年8月世界で初めて成功していたことを公表した。

安全運転支援や自動運転制御に関わるユースケースの共同研究を昨年から進めている、両社は今回、スバル研究実験センター美深試験場のテストコースに設置したソフトバンクの「おでかけ5G」(関連記事)と、NSA仕様の5Gネットワーク環境およびC-V2Xの通信環境を活用して、合流時車両支援の二つのユースケースで技術検証を行った。検証に必要な車両位置情報の取得には、ソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill」を活用した。

一つ目のユースケース(高速道路などで自動運転車が合流路から本線車道へスムーズに合流)では、5G網とMECサーバにより得た車両情報を用いて、衝突する可能性を予測計算。その可能性がある場合、同サーバから合流する自動運転車へ警告および減速指示を含むメッセージを送信し、メッセージ受信車両は、車載センサで取得した周囲情報と併せて、適切な制御情報を計算――本線車道を行く2台の円滑合流を達成した。

渋滞などで合流可能なスペースがない場合を想定した二つ目のユースケースでは、狭域通信に有用なC-V2Xを活用し、合流車両と本線車両間の最適な位置関係を計算して、スムーズな合流を実現したという。