農家当たりの耕作面積拡大等につながる飛躍的な生産性向上が求められる。いま、自助努力でそれを実現するのは大変難しい。ゆえにロボティクスを活用し農作業を可能な限り自動化して、人手不足を解消することが期待されているという。北大、岩見沢市、NTT、NTT東日本、NTTドコモは、次世代スマート農業に向けて、安定的で円滑な農機の広域自動走行とその遠隔監視制御を実現した。
5者は昨年6月に産官学連携協定を締結し、世界トップレベルのスマート農業および持続可能なスマートアグリシティの実現に向けた研究、技術開発等を進めてきた。そして今回、最先端のロボット農業技術に、5Gや次世代コミュニケーション基盤「IOWN」技術の一つである複数ネットワーク最適活用技術、高精度な測位技術等を用いて、農機完全自動走行を目標に、通信や映像の途切れを防止するなどして上記成果を得たという。
農機からの高精細映像や監視センタからの発進・停止等の制御信号は、高速・大容量・低遅延ネットワークであってもこれを伝送する際、対象農地が5Gサービスエリア外であったり、無線通信が遮蔽等の影響を受けたりして、所要の通信品質を得られない。農機の完全自動走行対応には圃場間移動も含め、遠隔地からトラクタやコンバイン等を監視、制御することが必要になる。
そこで協調型インフラ基盤技術(Cradio™等)、固定局不要のdocomo IoT高精度GNSS位置情報サービス、クラウドGNSS測位技術を用いた農機の自動走行などの有効性を実証したという。農業の生産性向上に貢献するしくみは「NTT R&Dフォーラム2020 Connect」にて紹介される。