クレジットカード決済の不正を人工知能で検知、動的な対策も

クレジットカード決済における不正利用被害は拡大を続けていて、19年にその被害額は273億円を超えた。この国では近ごろキャッシュレス、B2Cのオンライン取引が盛んで、新型コロナウイルスが猛威をふるう今年、外出自粛によりEC利用の需要が高まりを見せている。

日本クレジット協会の統計(2019年版PDF)が信用販売産業の実態を様々な切り口で明らかにしている。他方、総務省の発表によると、20年5月のネットショッピング利用世帯の割合は50%超(前年同月比8.2%増)で、8月の1世帯当たりのネットショッピング月間支出額は平均1万6483円(前年同月比108%)。EC利用増に伴い、不正利用被害のさらなる拡大が懸念されるという。

SBペイメントサービスは今月11日、同社のオンライン決済サービスを導入した事業者向けにfraud検知サービス「AI不正検知」の提供を開始した。これにより事業者は、人工知能により算出される決済ごとのスコアから疑わしい取引について確認することで、クレジットカード決済による不正な取引の早期発見が可能となる。

決済情報と機械学習で不正利用を検知する。年間数億件を超える決済データによって、あらゆる不正パターンを学習しモデルを作成することで、人間では見分けがつかない不正パターンとの類似性をスコアとしてリアルタイムに算出する。オンライン決済サービスを導入した事業者は、ニーズに合わせて3つのプランから一つを選択可能で、無料のフリープランなら手軽に利用を開始できるという。

スタンダードプランまたはアドバンストプランなら、不正利用が疑われる取引を抑止できる事業者独自ルールの設定や、疑わしい取引だけに本人認証サービス(3Dセキュア)の認証を追加する機能が提供される。この機能を利用することにより、事業者は、動的な対策を行い「属性・行動分析」に該当する改正割賦販売法の対応を実現できるという。