ローカル5G、基地局の開設前に電波環境を検証する

超高速・大容量、低遅延、同時多数接続が特長の第5世代移動通信規格(5G)について、日本では今春から高速性を軸にしたキャリアの商用サービスが始まり、同規格自体は、企業や自治体が各地域・業務のニーズに合わせて基地局を構築・運営する「ローカル5G」でも期待されている。

次世代無線通信を利用する際、従来の無線ネットワークとは異なる電波特性を踏まえた適切な通信設計が求められるうえ、所管当局への免許申請、近隣の地域BWAなどとの電波利用の調整、適切な設置工事、本稼働後の保守・運用やセキュリティの確保など、構築や運用において多くの知見やノウハウが必要となる(関連資料:総務省PDF「ローカル5G導入に関するガイドライン」)。

特に、ローカル5Gを導入するためには、一般的に基地局設備などの高額な機器を購入し、無線局免許の取得後でなければ電波干渉の有無や電波強度の測定ができないことが、導入企業にとって大きな障壁になっているという。日立システムズは、免許不要の電波を用いて事前に電波干渉の有無や電波強度測定を行い、適切な基地局配置や無線通信システムの設計・構築を支援する「ローカル5Gアセスメントサービス」を今月4日に発売した。

同社が長年にわたり培ったオフィス、工場、プラントなどの現場における無線ネットワークの設計・構築・運用の実績やノウハウ、そして、日立製作所の研究開発グループと共同開発した「屋内位置連動無線性能測定技術(特許出願中)」を活用した。上記新サービスは、ローカル5GやWi-Fi 6、sXGP方式(プライベートLTE)など、進化・多様化する次世代無線通信技術の動向を踏まえて提供するものだという。

日立システムズは今回のしくみや関連サービスの提供により、ユーザーニーズや業務環境に適したネットワークシステムの設計・構築・運用と、顧客のデジタルトランスフォーメーション推進を幅広く支援していく考えだ。