5Gでスマートシティ、かつての宿場町を自動運転タクシーがゆく

日本橋を発って五街道のひとつ、甲州街道を行く人たちが最初に草鞋を脱ぐところを内藤新宿といった。江戸時代から下って明治期になると、そこは鉄道をはじめとする交通の要衝であり文化文明的な体験をする場としても栄え、昭和中期以降は一層発展し、超高層ビル群がまちのシンボルとなった。

ターミナル駅は世界最大のスケールだし、四季の花咲く御苑はあるし、「世界のタンゲ」すなわち丹下健三氏がデザインしたポストモダンなビルの展望台から首都圏を見渡せる、都庁だってある――。今月9日、ティアフォーMoT損保ジャパンKDDIアイサンテクノロジーの5社は、新宿副都心エリア環境改善委員会と「西新宿地区のスマートシティ化推進に向けた連携協定」を締結したことを発表した。

同委員会による次世代モビリティ実証実験企画において、第5世代移動通信システム(5G)を活用し、自動運転システムを導入したJPN TAXI車両を公道走行させる。サービス実証を11月5日~8日に西新宿エリアで実施する。セーフティドライバーが乗車する形式の他、運転席を無人にして走行させる実験(5日のみ)では、KDDI新宿ビルにいる担当者が遠隔型自動運転システムを用いて、車両をリモート監視・操作する。

5G遠隔型自動走行、非遠隔型(LTE通信)自動走行ともに5日木曜日には京王プラザホテルとKDDI新宿ビル間をルートとして、後者は都庁の周囲を含めてより大きくまちを巡る。6日~8日の非遠隔型自動走行では、5GとLTEの混合を通信手段とし、京王プラザホテルから新宿中央公園(水の広場)に至るルートが設定されている。自動運転車両に、一般の人も専用予約サイトから申し込み(~10月18日)当選すれば、乗車できる。

今回の実証実験には荏原交通帝都自動車交通日本交通日の丸交通も参加し、各々自動運転技術を活用したビジネスモデルの構築等に関するアドバイスを行うという。