防災チャットボットで情報共有、リモートで自助共助の訓練実施

SNSは情報発信・収集ツールとして優秀だが、デマやフェイクニュースを完全排除できない。AIを活用すれば偽情報を容易に取り除けそうなものだが、それを自動的に行えるAIはまだなく、災害時には善意と融合したデジタル技術、および住民同士のコミュニケーションがものをいう。

今月13日、国交省「スマートシティモデル事業先行プロジェクト」および「スマート東京の実現に向けた先行実施エリアプロジェクト」(東京都PDF資料)に基づいて実施される、豊洲スマートシティ推進協議会主催の「豊洲スマート防災訓練2020」において、ウェザーニューズが参画するAI防災協議会は、SNSを活用した対話型災害情報流通基盤システム「防災チャットボット(SOCDA)」の実証訓練を実施する。

災害時に住民間で迅速かつ的確に情報共有を行うことを目的としている。上記防災訓練における「防災チャットボット」は、AIチャットボットがLINEを通して自律的に被災者とコミュニケーションを取り、対話の中から避難場所、不足物資、被災状況などの災害関連情報を自動抽出・集約し、被災者に必要な情報を自動で提供する。近隣の住民同士の災害状況の把握や助け合いのツールとして活用される。

これまで自治体が市民の状況を迅速に収集し、適切な情報を提供するツールとして実証実験・訓練を重ねてきたしくみが、今回初めて、住民同士の自助共助を促すツールとして用いられる。そこで、ウェザーニューズは、マンションごとの安否を住民同士で把握できる「安否確認」と、適切なタイミングで住民の避難行動を促す「避難支援」を新たに開発および実装した。

コロナウイルス対策として完全リモートで行われる。上記防災訓練において、避難支援機能をプロトタイプ版としてリリースする同社は、このたびの実証実験結果を踏まえて改善を続け、実災害の際に利用者の避難行動を支援するAIチャットボットを目指すという。