弱者に優しいまちづくり、IoTによる見守りサービスを拡充中

あらゆるモノがネットにつながるIoT技術を活かした"子ども見守り"システムを運用していて、ビーコン電波を受信できる基地局などを市内全域に構築中である。そしてこれから大幅な増加が見込まれる、認知症の人の見守り・支援を目的として、同システムを活用した実証事業を計画――。

今回の事業を通じて、認知症の人が住み慣れた地域で暮らし続けられる環境づくりにつなげていくという。福岡市九州電力送配電は、人生100年時代を見据えた持続可能なまちをつくるプロジェクト「福岡100」の新たな取り組みとして、市政だより9月15日号などを通じて参加者を募る「ビーコン技術を活用した認知症の方の外出見守り・支援実証事業」について11月1日から実施すると今月8日に発表した。

見守りシステムは、① 認知症の人の携帯見守り端末がビーコン信号を発信、② 地域に整備した見守りポイント(約1,600ヶ所)が同信号を受信、③ そこで検知した当人の位置情報を高齢者施設の職員や家族に提供する。施設や企業などが見守り基地局を設置したり、家族・施設職員・地域住民らが「見守り人」アプリをダウンロードしたりすることで、見守りポイントが増え、社会全体での見守りのネットワークが強化される。

「認知症フレンドリーシティ・プロジェクト」ともいう今回の取り組みでは、在宅の認知症者30名の協力を仰ぎ、3つの高齢者施設に各協力依頼(予定)する。見守りネットワークは当面、「IoTを活用した子ども見守り事業」で設置済みの固定基地局エリア(中央区、東区、早良区、城南区、博多区)を対象とし、今年度中に全区設置(市内約3,000ポイント)を予定している。

同事業は、保健福祉分野の行政課題の解決につながる提案を企業等から募集する「福岡100行政課題解決事業(福岡100×mirai@)」において採択したもので、九州電力送配電と福岡市保健福祉局が共同実施するものだ。