コロナウイルス禍での経営破綻は東京都が突出

新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言が4月に発出された。事態が改善した翌月に同宣言が解除され、しばし落ち着いた後に立ったコロナ禍の第2波により、全国でPCR検査陽性者数が再び増加――。近ごろその波もやや小さくなっているようにみえる。

感染者数の推移と同様に、コロナ関連の経営破綻も一進一退が続いている。支援に依存しながら経営を維持している企業は多く、悪影響が長引けば長引くほど、体力の乏しい企業の脱落が加速する可能性がある。引き続き、コロナ関連破綻の動向は予断を許さない状況だという。東京商工リサーチは今月4日、「『新型コロナウイルス』関連破たん状況」を公表した。

同日17時時点で、負債1,000万円以上の破綻が1件(倒産1件)発生、2月からの累計は、全国で454件(倒産406件、弁護士一任・準備中48件)に達した。月別推移では2月2件、3月22件から4、5月は80件台に急増。6月は単月最多の103件が発生したが、7月は80件、8月は67件と前月を下回って推移、9月は4日までに13件が発生した。集計対象外だが、負債1,000万円未満の小規模倒産は累計18件であった。

今月1日に高知県で初めてそれが発生し、コロナ関連破綻は全都道府県に広がった。このうち、東京都が116件(倒産107件、準備中9件)に達し、全体の4分の1(構成比25.5%)と突出。大阪府42件(倒産36件、準備中6件)、北海道25件(倒産25件)、愛知県23件(倒産22件、準備中1件)と続く。業種別では飲食業が66件で最多、アパレル関連51件、宿泊業45件であった。

4日は長野県で10件目となる経営破綻が発生した。競合激化による業績悪化で債務超過状態が続いていた、そのビジネスホテルは、新型コロナによる利用客の急減に襲われ、4月から休業していた。これで、10件以上のコロナ関連破綻の発生は12都道府県になったという。