アロハ!と検温・顔認証、空港内での移動経路も見える化

「ハワイに始まりハワイに終わる」と旅慣れた日本人が言った。アメリカ本土の人たちも「今度はマウイ島に行くのよ」などと笑顔を見せた。ハワイ州はいま新型コロナ禍の世界的流行を受けて、在宅要請と渡航者の14日間自己隔離措置を実施している。

渡航者数の大幅な落ち込みにより、地域経済は疲弊しているという。NECは、米国の同社現地法人およびICI社の協力のもと、ハワイ州の主要5空港に、生体認証・映像分析技術とサーマルカメラを組み合わせた感染症対策ソリューションを提供する。これにより体表温度が高い人物の検知と空港内での移動経路の見える化を実現し、観光・ビジネス客の安全安心な旅と、現地の人たちの安全対策に貢献する。

NECがハワイ州交通局から受注した。プロジェクトで展開する上記ソリューションは、設計から導入までプライバシ保護に配慮。同局と連携して、州のプライバシ保護要件に準拠している。設定した体表温度以上を検知した人物の画像のみを保存し、空港職員が対象者に健康上の注意や検査の必要性を伝える目的に限り使用する。画像は30分以内に消去され、外部機関と共有されることはない。

個人ではなく対象者を特定する。ハワイ州交通局は、感染拡大を抑えながら経済の復興を図るため、アメリカ本土や日本などからの渡航者が主に利用するダニエル・K・イノウエ国際空港(オアフ島)、カフルイ空港(マウイ島)、リフエ空港(カウアイ島)、エリソン・オニヅカ・コナ国際空港(ハワイ島)、ヒロ国際空港(ハワイ島)にこれを導入する。

各空港内へのサーマルカメラ設置を7月末までに、そして12月末までに同カメラと世界No.1認証精度を有する顔認証技術、および映像分析技術を活用して、体表温度の測定と、体温の高い人物の特定を安全迅速かつ効率的に実現する。NECチームは、今後もハワイ州と協力して、さらなる自動化や渡航者の体験価値の向上を目指していくという。