7都府県、8割の社会人がWeb会議システムを利用済み

IT(情報技術)を活用して働き方改革を! と政府や経済界の重鎮が言っている割には、組織全体ないし現場のデジタル変革が進んでいなかった。日本では4月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する緊急事態宣言が発出され、オンライン○○がにわかブームとなった。

宣言解除後に「出勤」が復権しつつある――。日本の多くの組織がテレワークを実施した。5月の緊急事態宣言下にあった7都府県のオフィスに勤務し、テレワークを経験あるいは実施した社会人に、4種類のオンラインツール(Web会議システム、ビジネスチャットツール、オンラインストレージ、タスク・プロジェクト管理ツール)の利用の有無を聞いた。矢野経済研究所は7月6日、その結果を公表した。

国内のテレワーク関連ソリューション市場を調査し、直近のITツール利用状況とテレワーク関連ソリューション市場動向、ポストコロナの働き方の変化を明らかにしたという。同社はこの分野の一端について、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・兵庫県・福岡県のオフィスに勤める20~70歳代の男女500人(自社がテレワーク実施中あるいは自身がテレワーク中の経営者・管理職および一般社員)にインターネットアンケートを実施。

各ツールの利用率はWeb会議システムが最も高く8割近くに達していて、ビジネスチャットが5割弱程度。一方でタスク・プロジェクト管理ツールは8.4%で最低だった。COVID-19対策としてのテレワークで、Web会議システムやビジネスチャットを初めて利用したユーザも多く、ごく短期間でオンラインツールの利用が大いに進んだことが分かる結果となった。

国内ビデオ・Web会議システム市場規模は'20年度に需要が大きく拡大する(前年度比120.4%の487.5億円)だろう。ビジネスチャットとの複合化が進む可能性もあるという。詳細は同社のオリジナルレポートにある。