仮想化モバイルネットワークの真価はこれから

映画などがあっという間にダウンロードできるほどの「超高速・大容量」、遠隔医療やリモート観戦等に役立つ「低遅延」、車両やロボット・ドローンなどの管理基盤となるほか都会の駅や花火大会会場などでも威力を発揮する「多数同時接続」が特長の『5G』時代を迎えた。
仮想化モバイルネットワークの真価はこれから

日本においては今春、auドコモソフトバンクが三分する4G携帯キャリア(MNO)サービス市場に、楽天モバイルが基地局の「完全仮想化」をうたって本格参入した。4月8日にサービスが開始された楽天の「無制限プラン」に関するモバイル体験について、英国Opensignalは6つの視点で分析――。画像や動画を共有し、ソーシャルメディアを使う若い世代や都市部に住むユーザーにとって、魅力的なものだと推測できるという。

仮想化モバイルネットワークの真価はこれから

ゲームやボイスアプリの体感、4Gの可用性は既存3社とほぼ同じだった。一方で、体感ダウンロード速度は46.7対24.8(Mbps)で劣っていた。ビデオ体験について、楽天ユーザーは66.5点をつけて「とても良い」感じだったが、ライバルは78.3点で「素晴らしい」との利用感。パートナーのネットワークにローミングしている時よりも、楽天の自前ネットワークではアップロードとダウンロード体感がかなり速くなっている。

楽天ユーザーは、ローミング時間に54.7%も費やしている。この時間は都市によって様々であり、名古屋では95.5%を楽天のネットワークで使用しているが、大阪や東京、埼玉では80%超に留まっている。通常、ユーザーは自宅のネットワークよりも良いモバイル・エクスペリエンスを得ていて、費用が安いことは特筆すべき事項である。楽天モバイルの体験、および新たなテクノロジーによる効果や影響を、他社のそれと比べるのは時期尚早だ。

楽天のテクノロジー選択の主推進力は、5G固有のサービスを可能にするものであり、これからが競合他社超えを証明する機会になるという。