衛星に導かれてトレーラーシャーシや物流コンテナが見つかる

陸上物流の要である「トレーラー」は、運転台のある牽引車(トラクター/原動力車)に連結される車輪付の荷台であって、シャーシともいう。既存の港湾部において、シャーシ等の駐⾞管理は、管理⼈の⽬視確認と、駐車番号と車両番号を書いてドライバーに手渡される札によることが多い。

広大な駐車場では間違えが起こりやすい。シャーシが指定場所になく、ドライバーが管理⼈と⼀緒にそれを捜索することもある。配達期限等がある輸送案件ではそのような時間ロスを極⼒減らすことが求められる。GPSを利用しても10m程度の測位誤差があり、対象の駐⾞位置を正しく⽰せないうえに、シャーシ等には電源がなく、常時測位ができなかったという。

エクスプローラは今月5日、準天頂衛星システム「みちびき」によるサブメータ級測位補強サービス(SLAS)に対応した「無線ICタグ」および「駐車表示用スマホアプリ」を連携したトレーラシャーシや物流コンテナの駐車位置確認システムの開発に成功したことを発表した。

同社は、内閣府及び準天頂衛星システムサービスによる公募案件"みちびきの利用が期待される新たなサービスや技術の実用化に向けた実証実験"に、「『みちびきのサブメータ級測位補強を付加した無線ICタグ』による物流管理」が採択され、これまで開発を進めてきた。SLAS対応「無線ICタグ」は、低消費電⼒・⻑距離伝送の無線規格「Sigfox」との組み合わせで、シャーシ等に設置したまま3〜5年ほど電池のみで駆動する。

そして、専⽤スマホアプリに駐⾞場の緯度経度を登録することで、駐⾞位置を表⽰できるという(動画:YouTube)。同社は今後、上記システムの社会実装に向けた製品化設計を⾏い、'20年中に量産出荷を予定――。シャーシ等輸送時の駐車場での捜索時間や順番待ち時間の削減など、物流業界におけるトラック運転手の負荷軽減を目指していく構えだ。