次世代コンピュータアーキテクチャ、システム管理バスの設計を容易に

インターフェースを制するものはコンピュータを制する。PCの内部、ソフトウェア同士のつなぎ部分、基幹業務を支えるIT機器群やそれらが稼働するデータセンタ内、ITサービス事業者が展開中のクラウドの奥にも必ずインターフェースがあり、デジタル社会を拓くIoTだって、インターフェスの塊だと言える。

JEDECがDDR5メモリにI3C Basic(mipiアライアンス標準)を採用し、次世代コンピュータのシステム管理バスは、I3C Basicへの移行が進んでいる。分散電源管理、テレメトリ、温度管理によりメモリサブシステムは一層複雑化し、高帯域なバス幅が要求される。高度な温度制御ループ、セキュリティとコンポーネント認証、より強固な障害耐性とリカバリ面からも、制御バス全体で、より帯域の広いインタフェースが求められているという。

ルネサスは4日、データセンタやサーバ、ファクトリオートメーション、通信機器など多様な適用分野における制御バスの設計向けに、I3C Basic対応の新たなバス拡張製品を発売した。新製品は、2入力信号を1つにして出力する2:1バスマルチプレクサ「IMX3102」、1入力:2出力のバスエキスパンダ「IMX3112」、1:4汎用I/Oエキスパンダ「IXP3114」、「IXP3104」の4種である。

最高12.5MHzの通信速度に対応し、内蔵温度センサ機能(IXP3104を除く)を備えている。今回の製品群は、バスの複雑性と伝送信号品質に影響を及ぼす可能性がある複数のマスタ機器や、多数のエンドポイント機器、長距離のトレースが存在するアプリケーションにおいて、I3C Basicをシステム管理バスとして実装する際に、設計を柔軟にできるようにする。

温度センサ内蔵品では、バス設計自体の温度管理が容易になり、専用の温度センサの数を減らせるという。各製品の詳細は同社IDTサイトで確認できる。