情報通信
センサーネットワークとクラウドで職場を有効利用、室内環境を最適化
生産年齢人口の減少が続く。日本では、政府が音頭を取る、各企業による労働力確保や生産性向上など働き方改革への取り組みが喫緊の課題となっている。加えて、地球温暖化の急速な進行が顕在化しているために、脱炭素化は今まで以上に社会全体での課題となる――。
空調・照明・防犯・防災・日射遮蔽・映像音響などの建築設備においては従来、各々のしくみが、独自のセンサーにより、相互に関係することもなく制御されていた。より快適に、より効率的に建築空間を運用し、生産性向上や脱炭素化を促進するためには、空間の全体最適化を可能とするシステムの開発が必要だという。
日建設計、協和エクシオ、WHERE、オムロン、神田通信機は今月8日、働き方改革や脱炭素社会の実現のために、ワークプレイスの有効利用と室内環境の最適化に資するシステムの協創で合意したと発表。すでに実際のオフィスを利用したセンサー・ネットワークシステムの実証実験を開始していて、今後は、設備制御やAIとの連携の拡大を図り、実フィールドにおける省エネルギー効果の検証や働き方改革への応用を試行していくという。
通信網、センサー、設備制御、建築設計などの連携により、建築空間を様々な側面から統合的に全体最適化する。「デジタルツイン」と「オープンスタンダード」の概念に基づき、建物内にセンシング専用ネットワークを構築、複数センサーからのデータをクラウドプラットフォームにアップロードしてマッシュアップし、全体最適解を探索するため総体的に解析、設備制御にフィードバック可能な設備制御ネットワークシステムの構築を目指す。
センサーや設備のマルチベンダー化が促進され、拡張・更新が容易で陳腐化しない。建物オーナーやユーザー自身が上記データを利用して職場環境の改善や人の活動支援を図れる。システムは、クラウドプラットフォームを利用したセンシングと制御のオープンな連携の端緒になるという。