AIによる外観検査の自動化を、中小のものづくり企業にも

人間の知的機能を代行するコンピュータ、AIが世界最高クラスのプロ棋士に勝利した。以来、ディープラーニング(深層学習)方式が脚光を浴び、画像の高速認識・解析を得意とするAIは、産業及び医療分野での活用が広がり、その市場は成長を続けている。

現在、製造業における画像解析市場では、簡易的で低価格なプラットフォーム型での提供が多くなっていて、ユーザーが外観検査プログラムを自作できるようになっているものの、判定精度に問題が起きた場合の解決は難しい。ディープラーニングを用いれば1,000万円超のコストが発生する案件も多く、中小製造業では初期費用の高さが、AI導入の障壁になっているという。

理経は8日、ニュージーランドMindhive社が開発した「画像解析AIによる外観検査システム」の発売と同時に、中小製造業において外観検査の自動化にかかる初期費用を抑えて導入できるよう、ものづくり補助金の申請支援も開始した。同補助金(全国中小企業団体中央会PDF資料)は中小企業庁の経営支援策。ものづくりだけでなく商業・サービス事業でも生産性アップに向けて最大1,000万円の助成金が受け取れる。

完成品の外観検査を自動化するしくみで、人件費の削減にもつながる。同システムでは、人の目に代るカメラや照明の選定からAIを用いた外観検査プログラムの作成、システムの構築までを一気通貫でサポートする。ユーザーのニーズに応じ、Mindhiveの検査実績から得られた知見を活用し、独自のプラットフォームを用いて画像解析の専門家がプログラムを作成することで、判定制度の高い外観検査プログラムを作成することが可能だという。

理経はまた、ものづくり補助金の申請において、昨年度高い採択率を有するコンサルタントが支援する、外観検査の自動化に興味のある中小企業にこれを積極提案し、同補助金の申請~システム導入・本格稼働をサポートしていく構えだ。