南相馬市の沿岸など、広域警備をドローン編隊で実施

少子高齢化などを背景にした人手不足をはじめ、様々な社会的課題の解決が急務である。昨今、警備業界においてはICT(情報通信技術)を活用した効率的なセキュリティサービスに注目が集まっている。

なかでも小型無人航空機による「ドローン警備」については、警備の効率化に加え、工場などの広い敷地を持つ施設や研究所などの重要施設を多様な視点から監視でき警備強化につながることや、災害発生時に現場の状況確認を迅速かつ広範囲に実施できることから、社会実装への期待が高まっているという。

テラドローンは1月27日、KDDIおよびセコムと共同で、福島県南相馬市の沿岸部と周辺の広域施設において、複数のドローンを連携させた警備の実証試験を行った。3社の実験は、ドローンの警備用途における社会実装を目的として、NEDO・DRESSプロジェクトにおける「警備業務に対応した運航管理機能の研究開発」を通して実用化を進めている運航管理システムを活用して実施された。

ドローンを活用して広域施設を警備する場合、複数台のドローンを連携させることで死角を減らすことができ、より高度なセキュリティを実現できる一方、ドローン同士の衝突を避けるための同時運航管理や、緊急時の急行指示に伴う運航計画変更への対処が必要となる。そこで今回の実証実験では、全国をカバーするauのモバイル通信ネットワーク (4G LTE)に対応したスマートドローンを活用――。

遠隔からの複数ドローン制御や多拠点への映像配信、緊急時の急行指示などの運航管理が行えることを確認した。JAXAと共同で他事業者運航ドローンとの衝突防止に関する検証も実施し、システム間の情報共有にもとづく飛行計画の調整や操縦によってそれが可能であることも確かめた。KDDI、テラドローン、セコムはこの度の成果を活用し、警備分野におけるドローン運航管理システムの社会実装の早期実現に取り組んでいく構えだ。