スマホで写したモノから情報が得られる、視覚障害者支援アプリ

モノのインターネット(IoT)や、ネット上の行動を実地活動につなげるオンライン・ツー・オフライン(O2O)が普及している。今日、社会全体でモノと情報の結びつきが強くなっていて、モノと情報のアクセシビリティが多様化している。

QRコードやICタグを用いて、モノを自動認識する仕組みが実用化されている――。そこで、モノと情報を結びつけて双方の価値を高め、さらに誰でも簡単にモノから情報へアクセスできるよう、「画像処理」や「音声読み上げインターフェース」の研究開発を進めてきたという。インテックは、モノと情報を結びつける視覚障がい者向けスマホアプリ「これなにメモ」(紹介動画YouTube)を公開した。

形の似ているモノを触っただけで区別できない人を支援する。身の回りを管理することをサポートする無料iPhoneアプリであり、視覚障がいを有する同社エンジニアが自身の経験を基に企画・開発した。「これなにメモ」は、インテック独自の「画像処理」と「音声読み上げインターフェース」により、モノと情報を紐づけ、それが何であるかを教えてくれる。

モノが置いてある机などをスマホカメラで写すと低いゆっくりとした音が流れ、カードやCDなどが映ると高く速い音を出す、効果音ガイドにより、視覚障がい者もスマホカメラで対象物を撮影し、登録することができる。区別したいモノを撮影する際、その一部でも被写体となれば認識できるため、対象物全体を正確に、ピンポイントで狙う必要がない。画面を見られない人でも利用できるよう、iOS標準機能「ボイスオーバー」に対応したという。

同アプリの無償公開を通して、実環境での課題やユーザ行動などを確認し、さらなる研究開発を継続する。インテックは、公共、行政、視覚障がい支援機器メーカ等と協力して、そのサービス化も行う。一人でも多くの視覚障がい者の生活がより豊かで、独立したものとなることを目指している。