情報通信
クラウドのセキュリティ、国内CASB市場は前年度比76.9%増
IT(情報技術)システムについて、「所有から使用へ」というトレンドを生んだ。クラウドコンピューティング/クラウドサービスはいま、普及期にあって、官公庁や金融業界の基幹システムをも取り込みつつある。と同時に、多数で共用するクラウド独自の情報セキュリティ対策が求められている。
企業・団体において、IT部門があずかり知らないところで個人や現業部門がクラウドを使う、「シャドーIT」が問題になっていて、クラウドの利用状況を可視化し、コンプライアンスを徹底し、データの流通及びアクセスを制御して、サイバー攻撃リスクを排除することが重要となっている。昨今、それらの要素で構成したCASB(クラウドアクセスセキュリティブローカー)が注目されている。
今月3日、ITRは、国内のCASB市場規模推移および予測を発表した。同市場の'18年度の売上金額は11億5,000万円、前年度比76.9%増と急拡大した。企業においてクラウドサービスを利用する機会が増えていて、クラウド利用の可視化、クラウド利用の際のガバナンス対策、シャドーIT対策、企業が許可したサンクションITの管理を目的にCASBが導入されているという。
クラウドサービスのデータ暗号化、認証強化、情報漏洩対策など、クラウドサービスの安全な利用を可能にするソリューションとして需要が高まっている。国内のCASB市場について、そのような動きを受けて参入するベンダーが増加していることから'19年度に同93.0%増とさらなる伸びを予測している。同社の発表は市場調査レポート「ITR Market View:エンドポイント/無害化/インターネット分離/CASB市場2020」で詳細を確認できる。
同レポートには、全8分野にわたる、国内43ベンダーへの調査に基づいた'17~'18年度売上げ実績、および'23年度までの売上げ予測が掲載されている。