スーパーマーケットでAI、商品の需要を予測して自動発注する

多くの市民がチェーンストア、スーパーマーケット、各種量販店の世話になっている。今日それらの店舗を運営する組織では、人手不足に対応した働き方改革、食品ロスの削減などで、ICT(情報通信技術)を活かした業務変革が求められているという。

NECは、小売業界向けにAI(人工知能)を活用した需要予測と、それに基づく自動発注システムを提供する。同システムは、様々なデータから客数や各商品の需要予測をおこなう。予測に基づいて発注業務を自動化することにより、発注業務の効率化・標準化およびロスや欠品の削減に貢献するという。

AI需要予測システム(DCMSTORE-DF)と、これを用いた需要予測型自動発注システム(DCMSTORE-EOB)を開発。最先端AI技術群「NEC the WISE」のひとつ「異種混合学習」を活用する今回の仕組みは、店舗ごと、商品ごとに規則性を自動検出――天候や曜日、過去実績などのデータを元に客数と販売数を高精度に予測――牛乳や練り物など日持ちしない日配品の販売数を予測し、適正量を自動発注する。

発注業務を効率化・標準化し、ロスや欠品を防止する。同システムは、リオン・ドールが運営するスーパーマーケットに先行採用され、会津若松市内の千石店で稼働中。各店舗に順次展開予定だという。リオン・ドールでは、事前に複数店舗で上記予測のシミュレーションを3ヶ月間実施し、人手による発注実績との比較で、対象製品の欠品日数6.5%改善、ロス金額25~40%低減を確認している。

多種多様なデータから複数の規則性を自動的に発見し、自律的に状況に応じた最適予測を行う「異種混合学習」を活用したシステムは、予測結果の根拠まで説明可能なホワイトボックス型AIであるため、複雑な分析についても解釈性の高い予測結果を得られる。予測の理由が示されることで、予測の納得感が増し、問題発生時には原因解明を容易にするという。