養鶏オートメーションに向けて、体重測定などをAIで自動化する

食用の若鶏すなわちブロイラーを養う。会社及び農場では、鶏(にわとり)の健康管理や死鶏の発見、飼料の給餌、設備点検などが毎日行われている。日々の様々な業務において、人手を介すことにより、鶏のウイルス感染、怪我等の損害が発生している。

鶏などの家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らし、生産性の向上や安全な畜産物の生産につなげる考え方「アニマルウェルフェア」に基づく飼養管理の普及が目指されている(農水省Webより)。昨今、ブロイラー会社においては、それら重要な取り組みに加えて、畜産業務のさらなる自動化が求められているという。

NTT東日本と米国KNEX社は24日、岩手県にて「いわいどり」「奥の都どり」などの鶏肉とその加工品を安全・安心・健康に、生産から販売まで一貫して手掛けるオヤマにおいて、AI(人工知能)による体重測定の自動検知、死鶏の発見の開発検証を開始する。KNEXはすでにコブ種でそれらのAI検知を確立していて、今回、日本で主に飼育されるロス種(チャンキー)で同様の効果がでるか検証する。

地域の課題解決に向けた事業共創プログラム「LIGHTnIC」の採択企業であるKNEXと共同で、ブロイラー会社における体重検知や死鶏の発見、設備不良の発見など、人が農場に行き、目で見て、鶏を触って対応していた日々の業務を、事務所にいながら極力人の手を介さない形に転換する。そしてそうすることで、人手不足に悩まされる畜産業界に新たな体験と生産性向上を実現するという。

この度の検証では、手動で実施した体重計測や死鶏観察と、AIによる計測の精度を比較する。銘柄鶏の生産・販売で市場から高い評価を得ているオヤマでの検証で得た情報を元に、他のブロイラー会社へも展開し、汎用的なサービスとしての展開を目指す。AIにより、効率化し、生産性を上げることで、日本の畜産業界を支援していく考えだ。