サ高住に暮らす人と共に、MCIを早期発見するアルゴリズム開発へ

60歳以上ないし要支援・要介護認定を受けている60歳未満の人が安心して暮らせる。サービス付高齢者向け住宅(サ高住)は、「高齢者の居住安定確保に関する法律」に基づき登録される、安否確認と生活相談のサービスが義務付けられたバリアフリー構造の住まいである。

高齢者にみられる認知機能低下、その初期段階である軽度認知障害(MCI)は、早期に発見し適切な対応を行うことが重要だと考えられている。北大阪健康医療都市"健都"にて2月、高齢者向けウェルネス住宅「patona吹田健都」を本格稼働し、同施設内にサ高住――小規模多機能型居宅介護が併設されていて、必要に応じて介護サービスが受けられる「エイジフリーハウス吹田健都プレミア」の開業を予定している。

パナソニックのライフソリューションズ社とグループ会社パナソニックエイジフリーは、国立循環器病研究センター(国循)と共同で、早い時期に適切な対応をすれば認知機能の低下を遅らせられるだけでなく、維持や向上もできると言われているMCIの、早期発見に関する医学的エビデンスに基づいたモデルケースの構築をめざす研究を開始する。同研究では「エイジフリーハウス吹田健都プレミア」にてIoTシステム基盤も活用する。

居室のテレビやトイレなどに設けたセンサーによって、いつ・どのようにそれらを使っているかを知ることに加え、ドアの開閉・電力使用データをホームIoT「AiSEG」を通じて収集し蓄積することで、総合的に生活リズムを把握する。匿名化されたそれらのデータと、定期的に取得する医学的診断を照らし合わせながら、日常生活習慣の特徴と認知機能の変化の相関性について、パナソニックと国循が共同で多角的かつ継続的に分析する。

国循の脳神経内科部長の知見を取り入れながら、施設内の環境が入居者に与える効果の検証およびエビデンス構築を行い、相関アルゴリズムやサービスの開発を目指していくという。