お正月がやって来る。そしてあの、年末年始の渋滞が思い出される――。都市間高速道路の多くは、他の高速道路との接続の影響が大きく、季節による目的地の変化等さまざまな要因により交通量や渋滞発生状況が変わるという。
NEXCO東日本とドコモは、【CA】東京湾アクアラインで実証実験中の「AI渋滞予知」(NTTグループの技術「corevo®」で構成)を今月20日から【E17】関越自動車道に適用し、同日14時00分からウェブサイト「ドラぷら」で30分ごとの予測所要時間と予測交通需要を配信する。アクアラインで実験中の技術を拡張し、新たに2つの技術を確立することで、都市間高速道路への適用を可能にした。
「季節や天候により変化する実際の人出に基づいて各地点の交通需要を予測する」「各地点の交通需要の違いを考慮して所要時間を予測する」新技術を加えて関越道で行う実験では、携帯電話ネットワークにより作成されるモバイル空間統計のリアルタイム版(人口統計)と、過去の交通量、渋滞、規制などの実績を基に、両社の「技術×交通工学的知見」によって、当日の人出から14時以降の所要時間や交通需要を予測する。
「AI渋滞予知」と従来の渋滞予報カレンダーとの比較では、所要時間予測の最大誤差が30分以上となる日が5分の1(11%→1.9%)になるなど、大幅な改善が確認できたという。アクアラインにおける「AI渋滞予知」実証実験のアンケートでは、90%以上のユーザーから継続利用の意向と高い満足度が得られた。ユーザーの半数以上に、利用時間を遅らせるなどの渋滞回避行動の実施が見られた。
行動変容の効果が確認できた。「AI渋滞予知」について、関越道への展開が最も多くのユーザに希望されていたという。両社は、【E17】での実証実験を来年3月末まで行い、効果検証などを踏まえ、他路線への展開を含めた'20年度本格導入に向けた検討を進めていく。