「世界一の長寿国」。その称号は2040年、スペインに譲ることになるだろうと海外の研究団体にレポートされた。日本は今、単なる平均寿命の延伸よりも、日常生活に制限のない期間すなわち「健康寿命」を延ばすことに、産官学で取り組んでいる。
幸いにも、厚生労働省のまとめによると健康寿命の延びは平均寿命のそれを上回っている(内閣府Web)。人々は、日頃から健康寿命を延伸する生活を送ることが重要である。が、健康を意識した行動を常にとることは容易ではない。はやりに乗って「歩く」にしても、人の歩行状態を把握するには、歩行シーンの映像の活用や、ウェアラブルセンサを直接身体に装着する必要がある。場所や利便性、費用などに課題があったという。
NECとFiNCは、先端IoT技術と「FiNC for BUSINESS」を組み合わせた新たなウェルネス・ソリューションの共同開発において、マクアケが運営するクラウドファンディングサービス「Makuake」を活用し、事業化を加速する。11月27日、「歩容(≒歩行の質)」を計測し、美しい歩行姿勢へ導くインソール「A-RROWG」の先行予約販売を開始した。
小型の歩行分析センサを搭載した専用インソールと、その人の歩容状態をチェックしてアドバイスするスマホアプリとで構成されている。A-RROWGは、これまでの分析実績から導出された理想の歩行と最先端センシング技術により編み出された、NEC独自の「歩容推定モデル」を活用。センサが計測した歩行軌跡を基に、歩行速度、歩幅、接地角度、離地角度、足上げ高さ、外回し距離を取得して「歩容」を推定する。
推定結果からその人に最適なアドバイスやトレーニングメニューの監修をFiNCが行う。両社の強みを組み合わせ、美しい歩行姿勢へと導く――。上記センサは歩いている状態のみ検知・起動するため、高精度でありながらも電池交換・充電の手間が省けるという。