情報銀行/PDS活用への布石、レストランのリコメン高度化

欧州連合におけるGDPR(一般データ保護規則)の施行などにより、日本でもパーソナルデータの保護が注目されている。一方で、同データの所有者である生活者は、自身のそれがいつ収集され、どのように利用されているかを把握することが難しい状況にある。

そうした中では個人起点・個人主導で制御されたパーソナルデータを企業が公正に活用する、「個人がベネフィットを得られる」環境の実現が一層重要になり、様々な実証実験を通して「個人のベネフィット」を前提としたデータ利活用方法の模索が必要だという。

TISは、デジタルガレージクレディセゾンと共同で、個人情報を管理する「PDS(パーソナルデータストア)」を活用したレストランに関するレコメンド高度化の実験を今月から約2ヵ月間実施する。個人の閲覧履歴・行動履歴に基づいた高度なレストランレコメンドのできるスマホアプリを構築し、パーソナルデータを提供するユーザが有益なレコメンドを受けられるかなどを実証する。

同アプリではユーザに、レコメンされて訪れたレストランで食事の画像をアップロードしてもらう。その画像により、「食事名・カロリー取得エンジン」がカロリー・たんぱく質・脂質などの栄養素成分情報を、「食事バランスエンジン」が主食・主菜・副菜などの食事バランス情報をデータ化し、PDSに格納する。都度そのレコメンドの有用性を評価してもらうことで、推奨の質を向上させていく。

「食事名・カロリー取得エンジン」には、ライフログテクノロジー社のAI画像解析/データ予測分析技術を実装したヘルスケアアプリ「カロミル」のエンジンを利用する。TISでは、パーソナルデータ提供に見合うベネフィットを受けられるモデルを評価。同モデルをブラッシュアップすることで「PDS」の「生活者にメリットのある」効果的な活用方法の提案につなげ、いずれ情報銀行(参考:総務省PDF)ビジネスの展開を目指すという。