法務にIT(情報技術)を活用して作業効率をあげる「リーガルテック」。それは近年、企業などにおいても、契約にかかる事務作業を正確かつ迅速にできると注目されている。AI(人工知能)の進化と自然言語処理の高度化が、それらリーガルテックシステム/サービスの導入を後押ししている。
10月21日、NTT-ATは、契約書の社内審査を支援するシステム「インテリジェント契約チェッカー」Version1の提供を開始。これをNTT西日本がファーストユーザーとして導入したと発表した。「AI(機械学習技術)」と高度な「日本語の自然言語処理技術」により、ユーザーが設定したチェック項目に基づき契約書のレビューを実施することで契約担当者の業務をサポートするという。
契約書案をアップロードすると、システムが契約書の文書をフレーズに分解し、必要な条項の有無、注意すべき条項など、チェック項目を瞬時に示す。チェック項目はユーザーごとに設定可能で、各条項にコメントを表示できる。受注契約と発注契約の相対応する条項を見比べながらのレビューが統一的な基準で行える。同システムは、プライベートクラウドとオンプレミスで提供される。
AI×自然言語処理のしくみによって、ドキュメントの多様な表現を柔軟に把握し、特徴を抽出する。効率的なレビューを支援する。チェック項目はユーザーごとであるため、関係各社で培ってきた契約書レビューのノウハウをシステムに反映できる。契約書作成および審査業務の能率アップが見込める。
NTT西日本は、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務プロセス改革の一環として、複雑化する契約リスクチェックなどのAIによる実現をめざし、NTT-ATと、重要事項の審査ポリシーや関連契約の比較表示などの共同検討を重ねたうえでこれを採用したという。インテリジェント契約チェッカーは、「AI・業務自動化展【秋】」にて披露される。