オープン汎用ネットワークの実現、その端緒となる共同実験に成功

昨今、特定ベンダの技術に依存しないように、通信サービス基盤のオープン化が進められつつある。キャリアが所要の最新技術を早期に、サービスへの影響なしに利用できれば、その通信ネットワークのユーザはより良い多様なサービスを早く安価に享受できる。

オープンかつ汎用的なネットワークの実現により、いくつかの装置で大規模な経済性を具現化するとともに、分離構成要素の開かれたマーケットを創出するという。目的を共有するNTTとスペインTelefónica社は今月16日、オープンな伝送/転送技術に関する第1回目の共同実験に成功したことを公表した。

テレコム分野のイノベーションを加速する非営利組織Telecom Infra Project(TIP)のOOPTプロジェクト内に両社が共同設立した"CANDI"('18年10月TIPニュース)が推進する共同実験の最初に、CANDIが選定したアーキテクチャやオープン技術、各技術を繋ぐオープンなインターフェースに従い、電気通信トラヒックを制御する転送技術とデータを送信する伝送技術が統合されたネットワーク構築を成し遂げた。

NTTは同ネットワークの転送機能としてMSF及びBeluganos(リンクは各々GitHub)を提供。Telefónicaは、転送制御と伝送制御を兼ね備えたオープンな標準インターフェースベースのマルチレイヤコントローラを提供した。構成技術の実装に必要な装置類はTIP参画ベンダ4社が、そして伝送機能の実装については、外部連携するオープンコミュニティONFで伝送技術を牽引するODTNと、Metro-Haulがそれぞれ協力した。

キャリアのユースケースのうち「転送・伝送機能の同時制御」と「部品化されたアーキテクチャの部分的な更改」に基づく制御を行った。TIP CANDIの今回の成果は「SDN/NFV World Congress 2019」にて発表される。